週末に発動されたアメリカの中国への追加関税、そして中国の報復関税。
その効果が見事に現れたと言われればそれまでとも言えますが、それ以上に注意しなければならない点があります。
まずチャートで確認しましょう。
ファンダメンタルズとテクニカルの重要性についてはこれまでも書きましたが、二つは両輪です。どちらか片方でも稼げますが、両方揃っていたほうが武器としてはいいに決まってます。
ベンツとフェラーリ、どっちかではなくどっちもあったほうが便利です。
BMWとランボルギーニ、2台あるほうがいいに決まってるんです。
これと同じでファンダメンタルズとテクニカルは両方をうまく使いこなす事で、利益を伸ばしやすくなります。
ただここで重要になってくるのは、どちらかに依存しすぎても勝てない、利益は残らないという点です。
ここがわからないといつまで経ってもコツコツドカンから抜けられないでしょう。
例をあげましょう。
ユーチューバーとして活躍されているトレーダーさんが何名かいらっしゃいますが、彼らの多くは稼げていません。
ある有名トレーダーさん、彼がなぜ稼げないか。
いや、正確には稼ぎ続ける事ができないか?という点。
彼は数年前は数千万円の利益を出したそうですが、その後は含み損をそれ以上に抱えながら、またロスカットを繰り返しながら、破産と隣り合わせのトレードを行っています。
ユーチューバーだけではなく、Twitterで有名なトレーダーさん、他にもGMOのトレードアイランドのランキングなんかでは、一時的には数億円の利益を上げている人は結構いるものです。
しかし、です。彼らの多くは大きく稼いだと思ったら消えていきます。
投資家の阿部さんも言ってましたが、私たちの仕事に終わりはない、んですよ。
つまり今年いくら儲けようと、終わらない、んです。ここが最大のポイントです。
その上で、先ほどあげた人たちはなぜ稼ぎ続ける事ができないか?
その最大のポイントの一つがこのファンダメンタルズとテクニカルの関係です。
彼らの最大の弱点、それがこのファンダメンタルズとテクニカルへの依存です。
この依存が最大の欠点なのです。
なぜ彼らはそこまでこの二つの武器に依存するのか?
それは簡単な話で、過去にそれで大儲けできたからです。
これまで、何年間かわかりませんが、それで数千万、数億円のお金を稼げてしまった。
この事実があればあるほど、人間はそれをもたらしてくれたもの、に依存します。
もはやこうなってくると覚せい剤と同じで、これらなしでは生きられない、つまりトレードができなくなるわけです。
そして自分が信じたファンダメンタルズとテクニカルに絶対の自信を持つようになります。
これまでもこうしてきたんだから、これだけのお金を稼げたんだから、この数十年の歴史をみても、等々、いくらでも依存する理由はあります。
しかし本当の意味で、相場に絶対はないという事を理解していないとこの二つの武器を使いこなす事はできません。
サポレジの重要性でも書きましたが、相場に絶対はありません。
サポレジに絶対はありませんし、ボリンジャーバンドやMAやRSIといったすべてのものにも絶対性はありません。
しかしファンダメンタルズ信者の皆さんはこれが信じられません。
特に今日のような日、世界的に何か問題が起きたような日は依存するレベルが高くなります。
多くのファンダメンタルズ信者は今日のような日に絶対に近い賭けに出るのです。
今日のポイント、それは先週末の追加関税の発動。
ここで多くの人は週明けに大きく下げる可能性が高いと判断しました。
しかし実際にはどうだったか。
確かに朝から一気に窓を開けての下落で始まりましたが、午後から夕方にかけてあっけなく下落前まで戻してしまいましたよね。
しかし結局、金曜の下落前のレジが効いてそのまま下落が継続してしまいました。
その後は素直な下げと思いきや、00狩りの手前での少しのストップ狩りがあったり、なかなか00ラインまでいかずに若干のレンジからの下落、とそしてようやく先ほど00狩り発動からの下げバイアスで推移という状況です。
ファンダ信者の方はもし今日の下落で取れたとなると、今後はさらにファンダメンタルズに依存する事になるでしょう。
こういう日は結局下げるんだ、という考え方がどんどん固まってしまいます。
しかし実はこれが一番、負けの因となる事がわかっていません。
だからいつまで経ってもコツコツドカンから抜けられないのです。
いいですか、もしもですよ、今日のストップ狩りが狩りではなく転換だったらどうしますか?
もしそのまま140円まで上げるような勢いが出たとしても、あなたは生き残れたでしょうか?
140円まで上げるという事は150円、160円まで上げるかもしれませんよね?
もちろん、そんな事はありえないかもしれません。
でも、ありえるかもしれませんよ。
実際に今年の1月の上昇相場を見返して見てください。
あそこまでの下落では130円割れは誰もが想定したはずですが、数ヶ月にわたり135円すら戻る気配もなく150円に向かって行きましたよね。
どちらかに依存していた人は多くの人が溶かしたはずです。
絶対の自信をもっていたが故に、大損してしまうのです。
つまるところ何が言いたいのか?
結局は、絶対はない、という一点に尽きます。
これしかないのです。
今日のような少しの騙しで素直にファンダ通りにいく日もあります。
しかし、え?なんで、どうしてこのニュースが出てるのにこっちに動くんだ!
どうしてこのテクニカルなのにこっちなんだ!と怒り狂う日もあるわけですw
いいですか、ファンダメンタルズもテクニカルも使い方次第なんです。
どうやって使うのか?ここがすべてのポイントです。
ベンツだってフェラーリだって、上手に使うから注目されるしモテるわけです。
でも使い方を間違えるとただの輩だったり事故にあったり、散々ですよ。
常磐道のあおり運転然り、せっかくの新型BMW X5でも使い方を間違えると大変なんです。
なんでもそうじゃないですか。すべては使い方であり、絶対はありません。
ファンダメンタルズに絶対はないし、テクニカルにも絶対はありません。
仮に100回効いたとして、10億円儲かったとします。
それで絶対の自信を持つようになるわけですが、
次の101回目で9億円損するかもしれません。
そうなると税金が払えなくなり破産です。
これが相場の怖さであり常に逃げられないという事実なのです。
まとめると、
ファンダメンタルズとテクニカルの正しい使い方、それは曖昧さを受け入れる実力をつけること、に限ります。
勘違いしないでください。
この二つはあくまでも相場で戦うための武器でありツールであり情報です。
絶対に信じていいものではありません。
絶対なのは相場の動きです。
ここに絶対があるのであって、その他に絶対はないのです。
ほんと、トレーダーってマグロ漁師に似てるんですよ。
いくらソナーに写っているからといって、天候や気候、すべての条件が揃っているからといって、マグロが取れるとは限らない。
もちろん取れる日もある。
でもそれは絶対ではなく、あくまでも可能性の話です。
すべてが揃っていも取れない日は燃料代で赤字なのです。
可能性に依存するほど危険な事はないでしょう。
ファンダメンタルズとテクニカルをいくら使っても勝てない、そういう人は何度も何度も読んで勉強して下さい。
そしてしっかりと頭で理解し、実践を繰り返し、体で覚えて、経験を積んで下さい。
勉強だけしてても身につきません。
実践だけ繰り返しても理論なければ実力にはならない。
よくよく思索し学ぶことです。
それしか一流への道はありません。